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「地域との関わり」と「将来への支援」2023.08.24
あうとぷっとでの「児童発達支援」「放課後等デイサービス」も含めて、いわゆる「通所」に分類されるサービスがいくつかあります。
「通所」に分類されるサービスでは、その施設内で行われる支援はどういった内容のものであるか?を記したガイドラインが設定されており「児童発達支援」「放課後等デイサービス」も例外ではありません。
「児童発達支援ガイドライン(第1章2 障害児支援の基本理念)」より抜粋
(2)地域社会への参加・包容(インクルージョン)の推進と合理的配慮 障害者権利条約では、障害を理由とするあらゆる差別(「合理的配慮」の不提供を含む。)の禁止や障害者の地域社会への参加・包容(インクルージョン)の促進等が定められており、障害のある子どもの支援に当たっては、子ども一人一人の障害の状態及び発達の過程・特性等に応じ、合理的な配慮が求められる。 また、地域社会で生活する平等の権利の享受と、地域社会への参加・包容(インクルージョン)の考え方に立ち、障害の有無にかかわらず、全ての子どもが共に成長できるようにしていくことが必要である。 障害のある子どもへの支援に当たっては、移行支援を含め、可能な限り、地域の保育、教育等の支援を受けられるようにしていくとともに、同年代の子どもとの仲間作りを図っていくことが求められる。
「放課後等デイサービスガイドライン(1総則(2)放課後等デイサービスの基本的役割)」より抜粋
○共生社会の実現に向けた後方支援 放課後等デイサービスの提供に当たっては、子どもの地域社会への参加・包容(インクルージョン)を進めるため、他の子どもも含めた集団の中での育ちをできるだけ保障する視点が求められるものであり、放課後等デイサービス事 3 業所においては、放課後児童クラブや児童館等の一般的な子育て支援施策を、専門的な知識・経験に基づきバックアップする「後方支援」としての位置づけも踏まえつつ、必要に応じて放課後児童クラブ等との連携を図りながら、適切な事業運営を行うことが求められる。さらに、一般的な子育て支援施策を利用している障害のある子どもに対して、保育所等訪問支援を積極的に実施する等、地域の障害児支援の専門機関としてふさわしい事業展開が期待されている。
「支援」や「サービス」と聞くと、どうしても対象となる本人に対して「どうやったらできるようになるか?」ということにフォーカスされやすいものです。もちろんそこも大変重要であり、本人や保護者の方々の多くが望まれる内容であることも間違いありません。
しかしながら、それらの対本人への支援は前記事(想像と現実の擦り合わせ)でも取り上げたようにいつか必ずくるとされる本人の将来の利益に繋がらなくてはなりません。
相談支援専門員をさせていただいているとこんな話をよく耳にします。
「学生時の成績は非常に優秀で希望の企業に就職することができたが数か月で退職。その後転職を続けるも、続けることができず今はフリーターです。」
こういった事例にはいくつかポイントがありますが、社会性や協調性が非常に乏しいというケースが非常に多くあります。この社会性や協調性が乏しいケースの原因もまたいくつかポイントがありますが、その多くが「家庭環境」と「コミュニケーションスキルの低さ」からであり「家庭環境」と「コミュニケーションスキルの低さ」について気付いたり変化を起こすきっかけの1つとして「社会との関わり」が大きく影響すると考えています。
「社会との関わり」とはつまり、地域社会です。地域社会とは保育園・幼稚園・学校はもちろんですが、習い事や塾や自治会のイベント・・・ただ公園で遊ぶこともなどもそれにあたりますし、「児童発達支援」「放課後等デイサービス」を利用することで、その事業所がある地域の人々と関わることも「社会との関わり」に該当します。
また「通所」に分類されるサービスの多くがその建物内で支援が完結されてしまうことが大半です。地域の方々にとっても、「何をしているところかわからない」「どんな人が来ているかわからない。」という不安が増幅されることで、ただ利用しているだけ・だた通所しているだけなのに「よくわからない人」という偏見を持たれることも少なくありません。
あうとぷっとでは、同じ地域にいろんな人が住んでいることを相互に知ってもらうことが非常に重要と考えています。そのことでお互いの偏見を回避し、差別をなくすきっかけになるのではないでしょうか?だからこそ、本人支援はもちろんですが、本人の「将来への支援」も見据えてこの「地域との関わり」は今後もより積極的に行っていこうと考えています。