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「生活圏」を知る経験2023.03.09

今年に入り1月と2月ではそれぞれクッキングを行いました。

「クッキング」と聞くと「調理」「料理」というイメージを持たれる方も多いと思います。

子どもたちからは「いつもお母さん、お父さんが作ってくれるごはん」はどんな風にして作っているか?なんか・・・よくわからないけれど、たくさんある「大人の道具」を使ってるなぁ・・・という印象を持っている子ども多くおられると思います。食育の観点からも、「クッキング」にフォーカスすることは割と事業所的にも支援者側としてもやりやすい部分だったりもします。

あうとぷっとではもう1歩視野を広げて「クッキング」を企画しています。

では、どんな風に視野を広げているか?というと・・・

クッキングで使う食材はどこに行けば手に入るか?

その食材がある場所へはどうやって行くことができるか?

・・・細かく見れば「その食材を手に入れるためには、対価は必要か?」「必要であればその対価はどうすれば得ることができるか?」などなど・・・もっと大事にプロセスはありますが、まずはこの2点に着目しています。

クッキングで使う食材はどこに行けば手に入るか?

そう聞くと「お店ー!」と答えてくれる子どもたちも多かったりするのですが、じゃあ具体的に「何屋さんか?」聞くと答えられないことも多かったりします。「お店」であることには間違ってはいないのですが、「お店」にもいろんなお店があることや具体的な「お店の種類」を知ることは今回の食材も含め身の回りの物をカテゴライズできるようになってもらうきっかけになると考えています。

その食材がある場所へはどうやって行くことができるか?

地域にもよりますが・・・最近は利便性や安全性から車移動のほうが多くなってきているのが肌感覚としてはあるように思います。もちろんそのことで得られる時間や労力の軽減や安全性はありますが、そのことで「移動する経験」が奪われていることも多くあります。

①で「何屋さんか?」ということが具体的に知ってたとしても、いざ必要となった時にその場所へ・・・歩いていくのか?公共交通機関を使うのか?移動時間に何分くらいかかるのか?ルート中に危険があるか?など知識だけでなく経験として知ってもらえるきっかけになると考えています。また、自宅を中心に何がどれくらい離れたとこにあるか?という「生活圏」を知ることになるとも考えています。

これらのことは・・・今は必要ではないスキルかもしれませんが、子どもたちが成人期に近づいていった際に、自分たちで・・・あるいはその時の支援者と生活を組み立てていかないといけなくなる時期がきた時に、経験や知識としての蓄積があればあるほど生活力に大きく影響しより地域で生活していく力「生活力」に結びつく1つの要因であると考えています。

しかしながら、ご家庭で経験をしてもらうことは時間や労力・・・あるいは障がいの特性や種別によってはなかなか難しいケースもあるかと思うので、あうとぷっとでは身辺自立や学習支援と同じか・・・もしかしたらそれ以上に「児童発達支援」「放課後等デイサービス」の機能として必要な支援の1つと考えているので、たくさんの子どもたちに参加してもらいたいなぁと思っています。